60代男性がふたたび「つながる」力を取り戻したとき
〜うつ、離婚、孤独感。そして恐怖麻痺反射へのアプローチ〜
先日、久しぶりにある男性と再会しました。
その方は60代。かつてうつ病で休職された経験があり、最近、離婚も経験されたばかり。
初めてお会いしたときは、深くうつむき、目線が合いませんでした。
話しかけても、どこかひとりで話しているような、ふわふわと浮いたような会話。
「えぇ?」と聞き返されることも多く、こちらの言葉が届いていないように感じました。
会話が噛み合わず、淡々とした口調。感情の揺れが見えない。
ご本人だけでなく、奥様や会社の同僚も、この方と関わることにフラストレーションを感じていたのではないかと思います。
けれど、きっとご本人もつらかった。
なぜ相手が冷たくするのか、なぜ孤独なのか分からない。
話していても、徒労感や寂しさばかりが残る。
そこで、**「恐怖麻痺反射」**という原始反射のアプローチを取り入れてみることにしました。
恐怖麻痺反射って?
赤ちゃんがおなかの中にいた頃、突然の刺激に反応して身をすくめるような反射。
それが「恐怖麻痺反射(Fear Paralysis Reflex)」です。
本来は生後間もなく統合されるはずのこの反射が、大人になっても残っていると、以下のような影響が出ることがあります:
-
対人緊張や視線回避
-
音や刺激への過敏反応
-
感情表現の乏しさ
-
会話のタイミングが合わない
-
体が固まってしまうような感覚
まさに、彼が示していた特徴とぴったり重なるものでした。
ふわっとした、あの日から
アプローチを始めて間もなく、「なんだか、ふわっとしました」とご本人。
定期的にサポートもなしにご本人はコツコツ1分間の動きを続け、2ヶ月後、再びお会いしたとき――
彼の目はまっすぐこちらを見て、言葉ははっきりと発せられ、会話のキャッチボールが成立していました。
「なんだか、自分でも変わった気がします」
そう語るその表情には、以前にはなかった穏やかさがありました。
そして、「もっと他にもエクササイズを教えて欲しい」というのです。
早速、スター・フィッシュの強化バージョンをお伝えしました🌿
次にお会いするときが楽しみです✨
変化に年齢は関係ない
心と体はつながっています。
そして、その回復には「感覚」や「反射」という、とても原始的な入り口からのアプローチが効果を発揮することがあります。
60代の男性でも、ふたたび「人とつながる力」を取り戻せる。
それは私たちに、どんな年齢でも「変化」は可能だという希望を教えてくれます。