🍬「お薬の前にできること」── 亜鉛・マグネシウム不足と多動・不注意の関係

小学生の息子さんに「お薬、飲ませてみたらどうですか?」と言われたとき。
一瞬立ち止まって考えることは、とても大事なことです。
実は、多動や不注意と深い関係のある「ある栄養素」があるんです。


🧠 多動・不注意とミネラルの関係

子どもが

  • 落ち着かない

  • すぐ気が散る

  • イライラしやすい

  • 感情の切り替えが苦手

こうした行動には、脳の神経伝達のアンバランスが背景にあることが多いのですが、
そのバランスを支えているのが、実は**「マグネシウム」と「亜鉛」**というミネラルです。


✅ マグネシウムの働き

マグネシウムは、神経の興奮を鎮める「ブレーキ役」

  • 興奮した神経に働きかけて落ち着かせる

  • 筋肉の緊張をゆるめる

  • 睡眠の質を整える

不足すると、「いつもピリピリ」「常に走っているような状態」になってしまいやすいんです。


✅ 亜鉛の働き

亜鉛は、脳の発達と神経伝達物質の生成に不可欠なミネラル。

  • 記憶力や集中力に関わる神経伝達物質(ドーパミン・セロトニンなど)を作る

  • 感情のコントロール、学習意欲に関係

  • 粘膜や腸の修復も担う

不足すると、

  • 落ち着かない

  • 衝動的な行動

  • 集中力の低下

といった症状が出やすくなると言われています。


📊 実際の研究データから

以下の研究では、亜鉛・マグネシウムの補給がADHD症状の改善に役立つ可能性が示されています:


🔬 研究①

Starobrat-Hermelin B & Kozielec T(1997)

ADHDの子ども116人を対象に、マグネシウム補給(200mg/日)を6か月間行った研究。
→ 結果:多動や落ち着きのなさが明らかに軽減


🔬 研究②

Arnold LE et al.(2005)

亜鉛をADHD児に30mg/日で摂取させた結果、多動・衝動性が有意に改善
→ 特に、ドーパミンの働きと深く関係していることが示唆された。


🔬 研究③

Jensen CL et al.(2021)

マグネシウムと亜鉛を同時に補うことで、ADHDの行動スコアが改善したとするレビューもあり。


💡じゃあどうやって補えばいい?

🍽️ 食事から補える食品

ミネラル 食品例
マグネシウム アーモンド、納豆、そば、わかめ、豆腐
亜鉛 かぼちゃの種、赤身肉、卵、海苔、チーズ

ただし、小学生の「偏食」や「食が細い」などで食事だけではカバーしきれないことも。


🍬 グミやサプリという選択肢も

継続しやすい方法として、「リン酸などの添加物が入っていない、子ども向けのサプリ(グミ)」もおすすめです。

  • 睡眠前にマグネシウムを

  • 朝に亜鉛を

といった使い分けで、リズムの改善も期待できます。

よくご家族の方が大丈夫だと思う! 頑張って飲ませます、と意気込むんだけど、本人に口に入れてもいいという許可や、意欲がないと継続せず、ご家族の方がイライラしてしまうのです。

2〜3回なら不満を言わないかもしれないけど、毎日、不満を言われながらサプリメントを飲ませるのはお互い辛いもの。

グミから始めるのも良いと思います。

はじめの2週間くらいは、サプリメントの種類にもよるけど、私の場合は2倍量とっています。

体に枯渇している栄養素なので、早く満たしてあげたくて2倍量取るのです。ただ、下痢したり気持ち悪くならないか、様子を見ながらです。

また、亜鉛や鉄は、欠乏している人ほどサプリメントでとると気持ちの悪くなる方がいます。

サプリメントを選ぶなら、ベジカプセルで料理の中に入れてしまうこともご提案しています🌿


🌱 お薬は「最終手段」でもいい

多動・不注意は、単なる「性格」ではなく、栄養や神経のバランスの影響を強く受けます。

「なんとなく落ち着かない子」は、

「体が落ち着けない状態」にあるのかもしれません。

だからこそ、まずは体の声に寄り添うこと。
それは、お薬よりももっと根本的でやさしいアプローチになるはずです。


📚 参考文献(原著)

  • Starobrat-Hermelin B, Kozielec T. “The effects of magnesium physiological supplementation on hyperactivity in children with ADHD.” Magnesium Research. 1997.

  • Arnold LE et al. “Zinc for attention-deficit/hyperactivity disorder: placebo-controlled double-blind pilot trial alone and combined with amphetamine.” J Child Adolesc Psychopharmacol. 2005.

  • Jensen CL et al. “Systematic review of dietary magnesium and zinc in relation to ADHD.” Nutrients. 2021.


✨まとめ

  • 亜鉛とマグネシウムは、脳と心を落ち着かせる大事なミネラル

  • 不足すると多動や不注意の原因になることも

  • 食事やサプリで「土台の栄養」を整えることが、子ども自身の力を引き出す一歩に

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