【室内の音◆音の環境調整】〜幼稚園・保育園・発達支援センター・学校等の建築の際、気をつけたいこと

どんなに素晴らしい建築物でも、音の管理ができないお部屋は、非常に過ごしにくいです。

さまざま幼稚園・保育園・学校に行って思います。

天井が高いと、音が響きます。

一つの音がふくれあがって、落ちてきます。

隣の教室・保育室の音が筒抜けですと、先生の指示は聞こえません。

静かに製作や読み書き学習に集中したいときに、隣の教室・保育室から歌やダンスの音楽が聞こえると、活動するための場がこわれてしまうのです。

特に、幼稚園・保育園でそのように感じます。

壁があったとしても、その壁は薄いパーテーションだったりします。

どんなに素敵なしつらえで、

子どもたちが見やすい高さの黒板、整理しやすいロッカー、安定し使い心地のいい机や椅子で

素晴らしい力を持った先生だとしても

見えない音の刺激を防ぐことはできません。

どんなに努力しても壁を突き抜けてきます。

高い天井から音が降ってきます。

建築士の方は、頭の中に立体を組み立てて上下左右前後、あちこちから見て考えていらっしゃると思います。

それはスペシャルな能力で、日々、トレーニングされてそんなことが得意なんだと思います。

ビジュアル化が中心で、きっとそこに音はないのかもしれません。

子どもと先生が動く動線や活動を建物の中に思い浮かべ、

そこで起きる音をイメージしてほしいのです。

理事長さんや園長先生、学校の教育委員会や校長先生にも、建築やリフォームなどするときに、この音の観点を必ずもっていただきたいのです。

その部屋の中だけの音に満たされるなら、静けさを体験できます。

自分の出した音や声がわかります。

音によって、自分の行動を振り返ることができます。

環境調整というときに、視覚刺激と同様に「音」を扱ってほしいのです。

【聴覚】は、人間の五感の中で、受胎し一番はじめに生じる感覚です。
(受胎後数週間で発生すると言われ、3~4ヶ月で内耳が完成すると言われています)

そして、老衰や臨終の床においても、最後まで残る感覚が聴覚です。

体全体の中で、もっとも敏感に反応する体の部位は【耳】です。

触られること、耳掃除を嫌がる子、多いです。

音にどんなに私たちが影響を受けているか、音は見えないので気づかれにくいです。

知らないうちに、視覚以上に影響を受けています。

{E0EB8C66-C179-45DB-9384-C28552159DB3:01}

 

Follow me!