「じっとできない」「漢字が苦手」…その理由は“上下の感覚”にあった!? 〜落ち着かない子が求めている身体のサインとは〜
子どものからだと発達コラム
「じっとできない」「漢字が苦手」…
その理由は“上下の感覚”にあった!?
〜 落ち着かない子が求めている身体のサインとは 〜
椅子を前後にガタガタ揺らしたり、床に寝そべったり、狭い隙間に潜り込んだり……。
大人はつい「行儀が悪い」と注意してしまいがちですが、本人がふざけているわけではありません。
実は、身体の「上下の軸(重力)」を探して自分を落ち着かせようとしているのです。
「上下がわかる」とは?
重力をしっかりと感じられていること。つまり、身体が無理なくバランスをとれている状態を意味します。
お子さんやクラスの子に、こんな様子は見られませんか?
大人はつい「ちゃんと座りなさい!」「集中して書きなさい!」と注意してしまいがちですが、実はこれ、「本人がサボっている」「わざとふざけている」わけではありません。
その根本には、「身体の“上下”がまだうまくつかめていない」という発達の課題が隠れていることがあります。
「上下がわかる」とは、どういうこと?
「上が頭で、下が足」という言葉の理解だけではありません
重力を感じて、はじめて「身体の垂直軸」が定まる
私たちは普段当たり前のように暮らしていますが、身体の発達から見ると、「上下がわかる」とは「重力をしっかりと感じられている」ということです。
地球の重力をまっすぐ感じ、自分の身体の中心軸(垂直のライン)が定まることで、人間ははじめて無駄な力を入れずにバランスをとることができます。
漢字のバランスが取れない理由
漢字は「冠(上)」と「脚(下)」のように上下の空間構成で成り立っています。自分の身体で上下の軸が定まっていないと、紙の上の上下の空間認知も難しくなり、文字がマス目の中でバラバラに崩れたり覚えられなかったりします。
まっすぐ座っていられない理由
重力に対して身体を支えるバランスが不安定なため、ただ「椅子にじっと座っていること」そのものが、子どもにとっては莫大な体力と筋力を消耗する疲れる作業になってしまうのです。
ロッキングも寝そべるのも「落ち着くため」の自己防衛
いつも走り回ったり、椅子を揺らしたり、床に寝そべったり……。
一見落ち着きがないように見える行動は、実は子どもなりの「落ち着くためのセルフケア」です。
揺れる・走り回る・寝そべる
上下や前後の刺激(前庭感覚・重力への刺激)を自ら脳に送ることで、自分の身体の位置を確かめ、覚醒度を調整して落ち着こうとしています。
狭いところに入る・カーテンにくるまる
ロッカーや狭い隙間に入ったり、布に包まれたりするのは、全身に圧迫刺激(固有受容覚や触覚)を入れて「自分の身体の境界線」をはっきりさせ、安心感を得ようとする行動です。
水遊びが大好きな理由
水遊びが好きで何時間でも夢中になる子も、水の浮力や水圧、水面の揺れを通して、「浮く・沈む」という上下の刺激や重力感覚を身体が求めていると考えられます。
決して周りを困らせようとしているのではなく、
「自分の身体の軸を安定させて、安心したい!」という無言のサインなのです。
身体の軸を育て、落ち着きをサポートするには?
上下の感覚を育てるためには、「注意して止めさせる」のではなく、
安心できる形で上下や重力の感覚を身体に入れてあげることが近道です。
アース・ボタン(Earth Buttons)
大地にしっかり足がつながる感覚(グラウンディング)を取り戻し、身体の上下の垂直軸と姿勢バランスを整えるエクササイズです。
・上下の視線移動(黒板と手元のノートの行き来など)をスムーズに
・ふわふわ浮き足立った身体をどっしりと落ち着かせ、集中しやすい姿勢へ
スペース・ボタン(Space Buttons)
自分を中心とした空間の認識や上下・前後のバランス、姿勢の安定をサポートするエクササイズです。
・遠近のピント合わせや、空間の奥行きを楽に捉えるサポートに
・前後のバランスを整え、椅子に無理なくまっすぐ腰掛ける力を促す
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大人の視点が「叱る」から「理解する」へ変わるとき
無理にじっとさせようとする前に、
「今、この子は重力を感じて安心しようとしているんだな」
という温かい視点で見つめてみる。
それだけで、子どもへの関わり方やかける言葉が、きっと優しく変わっていくはずです。


