椅子からずり落ちる子は、“重さ”を感じにくいのかもしれません

保育園で、こんな子がいました。

朝の会や食事の時間、椅子に座っているのですが、 気づくと体が斜めに傾いています。 片方のお尻がずれていたり、背中が机にもたれかかったり、 横にぐにゃっと崩れて、椅子から落ちそうになっていることもあります。

先生が姿勢を整えてあげると、一瞬はまっすぐになります。 でもしばらくすると、また同じように傾いていく。

押された時も、押された方向へそのままふにゃっと倒れそうになることがありました。 「戻っておいで」と声をかけても、自分の力でピタッと立て直すのが難しそうです。

皆さんは、どうしてこうなると思いますか?

A. 座る気がないから

B. ふざけているから

C. 体幹が弱いから、それだけの問題

D. 自分の体が傾いていることや、重さのかかり方に気づきにくいから


アーニャは、こう考えます🌿

私は、Dの「重さや傾きを感じにくい」可能性をとても大切に見ます。

もちろん、筋力や体幹の弱さも関係しているでしょう。 でも、それだけでは説明しきれないことがあります。

私たちは、座っている時に体が少し右へ傾けば、無意識に左へ戻します。 前へ倒れそうになれば、背中や骨盤で支えます。

それは、

  • 体が今どちらへ傾いているか
  • どこに重さがかかっているか
  • 関節がどんな角度になっているか

を、体の内側で感じ取れているからです。

ところが、その感覚がまだ育ちきっていない子は、 かなり大きく崩れるまで、自分が傾いていることに気づきにくいことがあります。

そのため、

  • ずるずる椅子から落ちる
  • 机にもたれかかる
  • 押されると押されたまま倒れる
  • 姿勢を直しても、どこに力を入れればよいかわからない
  • 座っているだけで疲れる

という姿につながっていきます。

「ちゃんと座って!」で座れる子ばかりではありません

大人は、

「背中まっすぐ」 「椅子にちゃんと座って」 「寄りかからないよ」

と伝えます。

でも、本人が “今、どれくらい傾いているか”を感じにくい状態なら、 注意されても、どこをどう直せばいいのかわかりません。

姿勢を保つには、 「筋力」だけでなく、 自分の体の位置を感じる感覚が必要なのです。

こんな関わりが助けになります✨

このタイプの子には、 体の輪郭と重さを感じる経験を増やしてあげたいです。

たとえば、

  • 肩2点と骨盤2点の合計4点を意識できるように、各4点を1つずつサンドイッチして、軽く圧をかける(ビルディング・ブロック・アクティビティズ講座では、より難易度を上げた体幹コントロール力を手にいれるアプローチを伝えています)
  • 各4点について1カ所ずつ、前後左右に7〜8秒押す、ほんの少し対象者の体が傾いたら、反対から圧をかけて体が立ち直る経験をつくる
  • 各4ん点について「押すよ、押し返してね」と小さな押し合い遊びをする
  • 押し合いっこ、引っ張り合いっこ(綱引き)遊びが最強!(7〜8秒じわーっと押し合う、引き合うことが秘訣)

こうした関わりで、 体の中に少しずつ “私はここにいる”という地図が育っていきます。

原始反射の視点では、モロー反射や緊張性迷路反射の統合運動になるでしょう。

学びにもつながる「座れる体」

椅子に座ることは、 保育園や学校では当たり前のように求められます。 でも実は、 座っていられること自体が高度な発達の成果です。

体が傾き続けている子は、 それを支えるだけでエネルギーを使ってしまいます。 そうすると、先生の話を聞く、手元を見る、作業することに使える力が減ってしまいます。

伝えたいこと🌿

姿勢が崩れやすい子を見て、 「だらしない」 「やる気がない」 と見ないであげてほしいのです。

その子は、 自分の体の重さを受け取り、真ん中へ戻る力を育てている途中かもしれません。

姿勢の問題は、心がけだけでは変わりません。 体にわかる形で経験を積むことが、何よりの助けになります🌼

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