それって本当に仮病?「月1休む」「水曜日に体調を崩す」子どもの裏に潜む『副腎疲労』とは
はじめに:クラスにこんなお子さんはいませんか?
「遠足の翌日に高熱を出すけれど、その次の日にはケロッと元気に登校してくる」
「なぜか毎週水曜日になると体調を崩して休む」
「月に1回、あるいは年に2回ほど急な熱や下痢・嘔吐で休むけれど、病院に行っても『異常なし』と言われる」
先生方の日々の学級経営の中で、このような子どもに出会ったことはありませんか?
病院に行っても「風邪ではない」「原因不明」とされ、周囲からは「怠惰」「気にしすぎ」「不登校の始まり?」「仮病じゃないか」と誤解されてしまいがちです。
ですが、分子栄養学や機能性医学の視点から見ると、これは彼らのワガママでも根性が足りないわけでもありません。体の中で「副腎(ふくじん)疲労」というエネルギー切れ(エンスト)を起こしているSOSサインなのです。
そもそも「副腎疲労」ってなに?
副腎とは、左右の腎臓の上にある小さな臓器です。ここでは、ストレスに対抗し、血圧や血糖値をコントロールして体を覚醒させる「コルチゾール」や「アドレナリン」というホルモンを作っています。
わかりやすく例えるなら、「体のバッテリー(エネルギー工場)」です。
副腎は、体重の0.01%しかないのに、生命活動の50%以上を支えている臓器なのです。
大人の副腎疲労はわかりやすい!
大人の場合、副腎疲労はとてもイメージしやすいはずです。 例えば、デッドラインに追われて徹夜をした翌日を思い出してみてください。
体が鉛のようにだるい
頭がボーッとして仕事や作業の効率が劇的に悪い
いつもなら楽しいことにも意欲が湧かない、ワクワクしない
これは、ストレスと戦うために副腎のパワーを使い果たし、バッテリーが空っぽになっている状態です。
子どもの副腎疲労は「大きな波」として現れる!
大人は「だるいなぁ」と思いながらも騙し騙し動けますが、発達途中の子どもの体はもっと素直で繊細です。エネルギーの貯金がないため、体調にドカンと大きな「波」となって現れます。
① 遠足の後の「知恵熱」の正体
イベント(遠足や運動会など)の最中、子どもは興奮して大量のアドレナリンを出します。これは「未来のエネルギーの前借り」です。 イベントが終わると前借りしたエネルギーが切れ、副腎が完全にエンストを起こします。その結果、急激な熱発や下痢・腹痛を起こします。しかし、1日泥のように眠ってバッテリーが少し回復すると、翌日にはケロッと登校できるのです。
② 「水曜日休み」「月1回休み」の定期的なエンスト
週末の休みで溜めたエネルギー(バッテリー)が、月曜日・火曜日の学校生活で使い果たされ、水曜日にゼロになります。「水曜日にお休みする」ことでバッテリーを急速充電し、木曜日・金曜日をなんとか乗り切っているのです。 月1回休む子も同じです。ギリギリの低空飛行で頑張り続けた結果、月に一度だけ限界を迎えてシステムエラー(頭痛や腹痛)を起こします。
③ 年に2回ほど、急な熱・下痢・嘔吐で2〜3日休む
一見「季節の風邪」や「ノロウイルス」と思われがちですが、周囲に感染者がいない場合、それは溜まりに溜まった疲労とストレスで自律神経系と副腎が一気にシステムダウン(強制シャットダウン)した状態かもしれません。 パソコンの「システムエラーによる強制再起動」と同じで、限界を迎えた体を守るために、体自身が強制ストップをかけているのです。
「風邪ではない」からこそ起きる悲劇
病院に行っても血液検査やレントゲンで異常が出ないため、多くの場合は「様子を見ましょう」で終わってしまいます。 そして、学校や家庭で「気にしすぎ」「根性が足りない」と叱られてしまう……。
しかし、責められれば責められるほど子どもは強いストレスを感じ、副腎はさらに疲弊してエネルギーを作れなくなるという悪循環(負のドミノ倒し)に陥ってしまいます。
そして、数日で良くなると仮病では??と疑われる・・・
子どもは睡眠の質が高く、回復力も高いのです。
日常のこんな行動も「エネルギー切れ」のサイン!
教室や学校生活で、こんなサインを出している子はいませんか?
朝イチのエンジンがかからない/昼前や夕方に急に元気になる
コルチゾール(覚醒ホルモン)が朝出ず、夕方以降に遅れて出てくる「日内変動のバグ」です。
姿勢を保てず、机に突っ伏す
サボりではなく、体を支える筋肉(抗重力筋)を維持するエネルギー(ATP)すら切れています。
光や音に妙に敏感
副腎が疲弊するとストレス耐性が下がり、教室のざわめきや蛍光灯の光が刺さるように苦しくなります。
お肉を残したがる/甘いものや「塩気」を欲しがる
消化力が落ちてお肉を食べるとお腹が痛くなるのを知っているか、エネルギー不足を手っ取り早く補うため甘いものや塩分(ミネラル)を体が求めています。
先生方に知っておいてほしい「体の見方」
もしクラスにこのような子がいたら、まずは「怠けている」「不登校の始まり」と決めつけず、 「この子は今、体のバッテリーが切れかけているのかもしれない」 という視点を持っていただけると幸いです。
ちょっとした言葉かけや、保護者面談の際に「体の中のエネルギー(栄養や休息)のエンストかもしれませんね」と伝えるだけで、救われる子どもやご家庭がきっとたくさんあります。
子どもたちの「目に見えないSOS」に気づくきっかけとして、この視点が届くことを願っています。

